CCb工法詳細
概要

古い耐震基準に従って設計されたコンクリート構造物の中には、現行の耐震基準で考慮すべきレベル2地震動に相当する地震力を受けた場合、部材のせん断耐力・じん性が不足するものがあることが指摘されています。しかし、開水路やボックスカルバートなどの壁状の地下構造物では、内空側からしか補強工事を実施できず、また、構造物が塩害環境下などの劣悪な環境にある場合には補強後の耐久性についても確保する必要があるため、有効な補強方法が少なく、これまで耐震補強工事は進んでいませんでした。

セラミックキャップバーによる後施工せん断補強
そこで、ファインセラミック製の定着体をせん断補強鉄筋に取り付けた後施工セラミック定着型せん断補強鉄筋「セラミックキャップバー(CCb)」を開発しました。「セラミックキャップバー(CCb)」は、耐食性に優れるセラミック定着体をコンクリート表面付近に配置できることから、定着部の耐久性を確保すると共に、優れたせん断補強効率を実現することができます。
鉄筋径がD16、D19、D22に対応しています。
施工方法
まずレッグハンマー等で既設構造物を内空側から削孔します。その孔口にグラウト貯留槽を設置し、その内部と孔内にセメント系のグラウト材を注入、充填します。そして、グラウト材で満たされた孔内へセラミックキャップバーを挿入し、孔口を養生用の蓋で閉めます。 施工方法
孔内に充填されたグラウト材が硬化することにより、セラミックキャップバーと既設構造体が一体化します。グラウト貯留槽を用いた施工により、グラウト材の充填が確実に実施できることが、施工試験により確認されています。
特徴
  • 高いせん断補強効率
    定着体がファインセラミック製であるため、コンクリート表面付近にせん断補強鉄筋の定着部を配置でき、400mm以上の壁厚に対して、有効効率βawが0.8以上となり、既存のRC構造物において高いせん断補強効果が期待できます。
    補強対象の壁厚と有効率βawの関係
  • 高い耐久性
    コンクリート表面に最も近い補強材の定着部に、耐食性に優れたファインセラミック製の定着体を用いることで、高い耐久性を実現します。
  • 高い施工性と品質
    グラウト貯留槽を用いた施工法では、グラウトで満たされた孔内にセラミックキャップバーを埋没させるため、ホース等を必要とせず、狭あいな空間においてもセラミックキャップバーと孔壁間に無収縮グラウト材を迅速かつ確実に充填することができます。
性能
力学的性能
(1)セラミックキャップバー(CCb)の定着性能
セラミックキャップバーの規格降伏強度相当の定着力を確保するために必要な先端側の定着長が5D(D:鉄筋径)であること、後端側については、定着体単体で規格降伏強度相当以上の定着力を確保できることが確認されました。
(2)セラミックキャップバー(CCb)後施工によるせん断耐力
セラミックキャップバーによるせん断耐力の負担分を、通常の方法でせん断補強した部材のせん断鉄筋によるせん断耐力寄与分に、適用部材の圧縮鉄筋と引張鉄筋の間隔、および先端側の定着長から算出される有効率を乗じたものとして評価できることが確認されました。
(3)セラミックキャップバー(CCb)後施工によるじん性
先端側が圧縮となる場合は、拘束効果を無視した終局変位の計算値より大きな変形性能が確保されること、後端側が圧縮と鳴る場合は、通常の方法でせん断補強したRC壁と同等の変形性能が確保されることが確認されました。
せん断破壊する梁の交番載荷実験
曲げ破壊するRC壁の交番載荷実験
セラミックキャップバーで補強した梁のせん断破壊
施工性
  • 適用部材
    背面に地盤などがあり、内空側からしか施工できないRC部材に対しても、補強後の掘削孔内にホース等を残置せずにせん断補強できることが確認されました。
  • 施工の容易性とじん速性の評価
    狭あいな空間や複雑な部位において、大型機材を用いずに容易に施工でき、安定した品質を確保できることが確認されました。
レッグハンマーによる削孔 孔内へのグラウト材の充填 セラミックキャップバーの挿入
養生用の蓋の設置 余剰のグラウトの回収 グラウト材の充填状況
技術の適用範囲
以下の全ての条件に該当するものに適用する。
  • 既設コンクリート構造物の後施工によるせん断補強の目的で用いる。
  • 既存構造物の片側面からの補強施工に適用する。
  • 主に地震時の応答変位量が限定される土中構造物などの補強に適用する。